⑦最終回・入門:米津玄師のジャンルとは? ロック? J-POP?~9th、10thシングル編~
どうも、傍観梟(ぼうかんふくろう)です。
今宵は米津玄師さんの9thシングル、『Flamingo/TEENAGE RIOT』、10thシングル、『馬と鹿/海の幽霊』のジャンルについて語っていきます。
- 9thシングル:『Flamingo/TEENAGE RIOT』
- 『Flamingo』
- 『TEENAGE RIOT』
- 『ごめんね』
- 10thシングル:『馬と鹿/海の幽霊』
- 『馬と鹿』
- 『海の幽霊』
- 『でしょましょ』
- あとがき:おまとめ頂戴
※以下全ては個人見解です。
『米津玄師のジャンルとは?』バックナンバー↓
それでは今宵も張り切って! レッツ&ゴー!!!
9thシングル:『Flamingo/TEENAGE RIOT』
[rakuten:book:19319652:detail]
『Flamingo』
この楽曲を作る上で民族音楽(フォルクローレ)を意識して作ったらしい。
『Lemon』を通過し、当然のように『Lemon』、『砂の惑星』、遡れば『ポッピンアパシー』でも使われていた加工した声のような音が入ってまるで当然のように”楽器”として使用され、ドラム、スネア、ベースとリズムをとっている。
そしてこの楽曲で特に変態的な部分がある。
それは、明らかに彼の声の”ボイスサンプル”が使用されている。
楽曲のテーマとして”みっともなさ”を表現したかったらしい。
歌でクネクネとした歌い方、こぶしなどがありその表現が十分表わせていると思う。
ジャンルのカテゴライズは正直なところ、演歌のようなものを感じ、それらをJ-POP×ヒップホップと混ぜたようなニューミュージックになっている。
フォークと言ってもその筋を辿ってはいるし、そういう土台の上で米津玄師がJ-POPの表現の幅を広げているのだと思う。
明らかに新しい音楽性であるが、既存の様々なジャンルを一つの楽曲にまとめたようなものだ。
オルタナティブとも呼べるし、ニューミュージックとも呼べるだろう。しかし、彼の米津玄師節が強く、独自の音楽性を確立しているのは間違いない。
『TEENAGE RIOT』
元々『Lemon』用のカップリングに作っていたそう。
完全なギターロック。
だが、米津玄師らしい低音のベース音がリズムが活発でリズムの快感を作り、サビまでの助走では少し音を抑えていきサビで盛り上がるという王道的な展開を作っている。
メロディは歌詞のメッセージ性を感じる話すような流れになっており、歌詞が聞き取りやすくなっている。
米津玄師らしい歪んだメロディが特徴的なギターロック。
『ごめんね』
米津自身が好きでプレイしているゲーム『UNDERTALE』をテーマに個人的に作られたカップリング曲。また、ライブでオーディエンスを意識し掛け声を取り入れた楽曲。
一定のリズムで特別大きな変化が一曲の中で起こるわけではないが、不思議と高揚感を受ける楽曲。
サビというサビは無いがAメロ、Bメロでの後の
”~♪ オーオーオーオーオーオオオオオ―オーオー”
という掛け声までの助走ようなゆったりと優しい歌声で米津玄師の楽曲の中で複雑なメロディもなく新鮮な印象を受ける。
今までの楽曲の中では一番『ナンバーナイン』近い曲調かもしれない。
10thシングル:『馬と鹿/海の幽霊』
[rakuten:book:19693269:detail]
『馬と鹿』
ドラマ『ノーサイド・ノーゲーム』主題歌。
ギターと歌から始まり、Aメロ、Bメロのサビまでの温度差が激しい楽曲。
サビの”これが愛じゃなければ”の盛り上がりを引き立てるのにとてもじわりじわりとバックで鳴るドラム、一定間隔で鳴る最小限の音量のギターのリズムがこの楽曲の感情を見事に表現していて、まさにドラマチックな展開を作り上げており、ストーリーと主人公の出で立ちを想像くさせる効果を持っている。
そして、この楽曲は打ち込みが少なく、リズムの間が今までより大きく、今までの楽曲は急いでいるような近いリズムが典型だったが、そういう癖が拭われていたことに、今までの米津玄師の楽曲たちを知っているうえでとても違和感を覚え、そして今まででこの後に記す『海の幽霊』同様に世界観の壮大さを感じた。
そして、音楽性にはロックの要素が取り除かれ、クラシック:オーケストラのような音楽をイメージさせられた。
それは、ストリングスが使われているからだ。イントロではまるでないが、サビで一気に様々な楽器が加わり、特にサビ、アウトロでのストリングスが世界観を広げている核になっている。
2番のAメロ、Bメロでの助走のような展開の仕方もまるでそのストリングスが後に来ることを前提にし、助走しているのを感じた。
J-POPというカテゴライズにもつけがたいポップクラシックだと私は言っても良いと思う。
『海の幽霊』
アニメ映画『海獣の子供』主題歌。
ピアノと歌での入りで一瞬で世界に引き込ませるような没入感を抱かせるイントロ。
Bメロではトラップを使いサビではオーケストラが入り、この楽曲も壮大な世界観になっている。
低音の”ボン”というインパクトのあるドラムのような音が映画のテーマをなぞり、海の中を想像させ、ボーカルの加工と反響、低音の多用が相乗効果により壮大さを生んでいる。また、間奏では静かになり、その表現が白昼夢感を生み、『BOOTLEG』でもあったドリームポップの吸収もみられる。
これまでリズム主体が多かったが、『サンタマリア』でもこのようなストリングスを使っており、メロディの使い方を彼なりに整頓したような楽曲になっている。
『でしょましょ』
この楽曲では、こんにち様々な事件や出来事が起こりそういうことをテーマに作られたらしい。
イントロから明らかに皮肉を込めていそうなギターの低音でけだるげなメロディーで始まり、米津節を感じる。これも『Flamingo』のようにボイスサンプルをまき散らされており、独特の世界観を生んでいる。
曲調自体はフォークが基軸になっている。
あとがき:おまとめ頂戴
この後に『パプリカ』や、様々なアーティストへの楽曲提供について語ろうと思っていたが、現時点の米津玄師のジャンルに関してはもう語ることは無いと思っている。
簡単にまとめると、オルタナティブロック、フォークロック、エレクトロニカ、電子音楽、コンテンポラリー、実験音楽、アダルト・コンテンポラリーミュージック、クラシック(ストリングス)で、彼の生まれた日本で日本語で歌う限り、J-POPにまとめられてしまうことは他ならないのだが、少なくとも、エレクトロニカから始まり、クラシックへの変化と独自性が影響し、もっとリズムやメロディの人の快感を追求するアーティストやプロデューサーが出てくるだろう。
その部分が日本の音楽シーンに際立ってきたとき、彼がひとりの先駆者になるのではないかとリスペクトを込めて言っておきたい。
また、今後、改めて聞いて気付いたことがあれば追記などしていくとは思うが、新曲やツアーを私は現在説に願い、皆様同様に楽しみにしている。
現在開催中の『HYPE ツアー』も好調のようでSNSでの感想を見ている限り、かなり今までの米津玄師の変化した一面が様々あるようだ。
↑こちらで調べると面白い情報があると思う。知りたい方は是非。
多分、音楽はジャンル付けするのが難しいし、簡単なこともあるが、それを作ったらそのアーティストの癖が必ずあり、そのアーティストのジャンルになるからわざわざカテゴライズしなくてもいいと思う。
私は様々な音楽性を知りたくて、様々な快感を得たくてあさり続けるために便利な記号化だと思い、ジャンルや音楽性の追求を今後もしていきたいと思う。
もし、お付き合いいただけるとありがたい。まあ、ブログは始めたばかりなので認知も少ないのでどれくらいモチベーションを保てるか分からないが、新しく音楽を知っていく限り辞めることは無い。
これは、全て、私の音楽に対しての好きを表す、記録である。
ほいでは、常に良い時間をお過ごしください。
以上、傍観梟(ぼうかんふくろう)でしたー🦉。
参考記事: