②入門:米津玄師のジャンルとは? ロック? J-POP?~2ndアルバム:『YANKEE』編~
いつも拝読ありがとうございます。 どうも、傍観梟(ぼうかんふくろう)です。
今回は、『米津玄師のジャンルとは?』シリーズ(今シリーズ名考えた)の2本目です。
前作、1stアルバム『diorama』後のシングルを通過し、作り上げられた2ndアルバム『YANKEE』特集になります。
『米津玄師のジャンルとは?』バックナンバー↓
それでは、本日も張り切ってどうぞぉっ!!!!
YANKEE(ヤンキー)
米津玄師2枚目のアルバム。メジャーでは1枚目。
収録曲、『アイネクライネ』より、CMタイアップに起用されるようになる
『diorama』後、1stシングル『サンタマリア』でメジャーデビューをし、2ndシングル『MAD HEAD LOVE/ポッピンアパシー』を出し、『YANKEE』を出した。
このアルバムではイギリスののエレクトロニカ、電子音楽、実験音楽が特徴的なロックバンド alt-J(アルトジェー) の要素が多いと感じた。先行シングルの『サンタマリア』以降として、音楽性にシンプルなギター、ベース、ドラムという構成は減り、エレクトロニックに傾倒する。
『diorama』でも音の浮き沈みが多かったが、『YANKEE』での楽曲の全体は、テンポが速く、異なった打楽器やギター、電子音が連続しテンポを作り、一定のメロディーを保たず崩しているというところだ。そこがジャンルとしてはエレクトロニック。
『diorama』には無かったが、ボカロ時代に合ったここに改めて取り入れられた要素である。
『MAD HEAD LOVE』にはとてもそれを濃く感じる。
そして、それからこの楽曲にも似た要素があるだろう。
そして、ギターの音がサビでどちらも目立ち、ボーカルに関してはクネクネと進んでいくところがRADWIMPSのようなメロディーで中毒性がある。
しかし、米津玄師の言葉選びにより、傾倒しながらも自分の色があり、癖になる。
個人的に『MAD HEAD LOVE』を最初に聴いたときは衝撃を受けた。
こんなに混とんとした複雑なリズムがあることに。
脳がごちゃごちゃにミキサーで混ぜられているような感覚に陥る。
これが米津玄師の不協和音という手法である。
しかし、この時点ではまだ歌唱部分がフォークがぬぐえていない。
アルバムの中には『眼福』という曲があり、ほぼギターとボーカルの曲で弾き語りスタイルをとっている。
それから、このアルバムの中で特に実験的な楽曲がある。
それがこちらだ。
歌い出しから歌唱を重ね合わせているというのだ。
暗い低音のポーンという音が印象的だ。
ジャンルも正直分からない。
ただ、彼がやっていることは、ポップスであるという事。
そして、新ジャンルを確立し始めていることが分かった。
正直なことを言ってしまえば、彼がやっているのは、ミクスチャーポップ、そして、ロックであればオルタナティブロックである。総合的に濃いジャンルを定義するには、エレクトロニカである。
そして、その要素がロックに落とし込まれ、新しい化学反応を生み出している。
一旦ここまでのジャンルとしては、フォークを根本に、エレクトロニック、ロック、オルタナティブである。
そして、J-POPという事は他ならないのだが。
しかし、それからまだ彼は変化を続ける。
つづく↓
あとがき
『YANKEE』に関しては、米津玄師さんの自分の音楽性を研究し、どこに落ち着こうかと悩んでいると感じた。その為複雑な進行や、音を抑えたり、実験的な楽曲をやったりと、彼のメジャーシーンに出ていくアーティストとしての葛藤をジワリと感じるアルバムです。
仕上がりはとてもすごいが、なかなか音楽性があちこちと行ったり来たりし、定まっていないことがうかがえた。
そして、その悩んで作られていく音楽性を通過していく成長過程が面白いのだ。それが音楽で人間であると言えよう。
参考アーティスト