⑤入門:米津玄師のジャンルとは? ロック? J-POP?~シングル:1stから7thまでのカップリング編~
いつも拝読ありがとうございます。どうも、傍観梟(ぼうかんふくろう)です。
今回は、シングルをスルーし、アルバムについて通して書いていたので、
A面に釣り合うくらいの名曲が多い米津さんのシングルの癖モノぞろいのカップリングについて書いていきたいと思います。
『米津玄師のジャンルとは?』バックナンバー↓
目次
- 1stSingle『サンタマリア』
- 2ndSingle『MAD HEAD LOVE/ポッピンアパシー』
- 3rdSingle『Flowerwall』
- 4thSingle『アンビリーバーズ』
- 5thSingle『LOSER/ナンバーナイン』
- 6thSingle『orion』
- 7thSingle『ピースサイン』
それでは張り切って! どうぞぉっ!!!
各シングルのカップリング(diorama以降、Lemon前)
アルバムにも多々あるが、シングルのカップリングに関しては特にメランコリックな楽曲が多い。
1stSingle『サンタマリア』
『百鬼夜行』
『百鬼夜行』関しては混とんとした世界観で、混乱したようなクネクネとしたメロディーが繰り返される。
アニメ、ゲゲゲの鬼太郎のテーマソングにあるような ”~♪ ヒョロロロォ~♪” という音があり妖怪のいる異界を表現し、日本舞踊の曲のような世界観も再現している。
エレクトリック感のあるカチャカチャとした音があり、エレクトロニカJ-POPと名付けたい。
『笛吹けども踊らず』
この曲もクネクネとした曲調で『百鬼夜行』に通ずるものがある。
シンセのぽわぽわとした音には、歌詞の内容を引き立て、酩酊している気分を表現している。
これらに曲に関しては、米津自身が阿波踊りで有名な徳島県出身からこのような楽曲を作れる感性を作ったのではないだろうかと思う。多分、きっと。うん。
2ndSingle『MAD HEAD LOVE/ポッピンアパシー』
『鳥にでもなりたい』
歌詞大好き。局長も面白くてキャッチ―で大好き。
この曲はメランコリックにエレクトロニックにフォークな曲調で、歌詞含め実験的であるが、まるでキャッチ―を我が物にしたような楽曲である。
3rdSingle『Flowerwall』
『懺悔の街』
複雑なギターのメロディーの繰り返しから始まる。
彼の独特の世界観が光る楽曲である。
『ペトリコール』
メランコリックで沈んでいくような曲調。
『BOOTLEG』の楽曲『fogbound』に近いどんよりとしたメロディーが特徴的。
ここら辺からトラップやヒップホップ系の曲の影響が反映されていったと思う。
4thSingle『アンビリーバーズ』
『旅人電燈』
A面の『アンビリーバーズ』ようなギターのリフの反響させた音とバックのシンセの浮遊感漂うメロディーにより暗い空間を表現している楽曲。
『こころにくだもの』
彼は、常にリズムの心地よさを追求し、リズム選び、テンポ選びに癖があると思う。
オルゴールのような金属をはじく音のリズムと、ドラムの音と重なるときの間のとり方が耳に残りやすい。
低音が少なくこれまでの曲の中で明るい曲調になっており、とてもポップな楽曲です。
5thSingle『LOSER/ナンバーナイン』
『amen』
当初出たとき、B面でA面(エーメン、えーめん、amen)を歌っている…!とはしゃいでいたのはわたしです。はい。
米津玄師はメタファー的な表現が歌詞に多く、ありえないことではないと思っていたのですが、結論どうだったの? と問われればまあ、B面はB面です。まあ、そういう憶測や推測をさせられるのも米津さんの面白いところです。
楽曲は、タイトル通りお祈りを表しており、イントロから鐘の音が鳴り続けています。
教会を連想させます。
ところどころノイズのような音が鳴り、歌詞の通り、主人公の葛藤やもやもやを表現しています。
決して明るさは削がれ、最後まで暗い雰囲気です。
6thSingle『orion』
『ララバイさよなら』
攻撃的な歌詞と歌で始まるのが印象的でドラムとギターの歪んでいてダル気な歌唱にぴったりで米津玄師としては少し異色な楽曲。
次世代へ向かっていくような楽曲なのかと個人的には解釈をしている。
『翡翠の狼』
前曲とは対照的でポップで明るく平和なまっすぐな愛情表現を歌った楽曲。
クラップやメロディーが上がっていく部分、ギターのカッティングの軽快さが曲の主人公のワクワクを表現し、さらに米津自身がオオカミの遠吠えを曲のバックで演技しているのには開放するところ開放してきたなと衝撃を受けると同時にボーカリストとしての表現も新しくしているのには音楽の自由さを改めて実感させてくれる。本当に面白い楽曲でA面に持ってきても良いんじゃないかとすら思った。
7thSingle『ピースサイン』
『Neighbourhood』
弾き語りの王道なパターンをなぞり、分かりやすく、少年的な葛藤を描いた歌詞のフォークソング。
歌詞は思春期の回想を歌っているようで、背中を押してくれるような楽曲で少し勇気をくれるメッセージソングでもある。
『ゆめくいしょうじょ』
この楽曲はボカロ時代に出した『沙上の夢喰い少女』のセルフカバーです。
ハチ MV「沙上の夢喰い少女」HACHI / Sajyo no Yumekui Syoujyo
ハチでのボカロPでの活動で出した『OFFICIAL ORANGE』というアルバムに収録されています。
曲調は原曲とまるで違い、メロウなメロディーにギターとピアノの音でシンプルな構成になっていてフォークに仕上げられています。
これまでのエレクトリック、メランコリック、複雑で音が重なりまくっている曲が多かったのにシンプルな構成のジャンルに偏ったなと感じたカップリングの選曲だった。
つづく→明日配信:⑥名作、『Lemon』以降。
あとがき
以上、シングルのカップリングについて特集してきました。こうして取り上げると、米津玄師の音楽性が少しずつ変わっていっているという傾向が明確に感じます。
そして、これ以降の楽曲の変化に着目をしていただきたい。
格段に音楽性の変化を感じるに違いない。