①入門:米津玄師のジャンルとは?ロック?J-POP?~ボカロP・ハチから1stアルバム:『diorama』編~
いつも拝読ありがとうございます。どうも、肩の痛み、肩痛(かたつう(造語))に悩む傍観梟(ぼうかんふくろう)です。
まえがき
先日、米津玄師さんのパプリカのセルフカバーが2月3日より配信されるという発表がされ、話題になりましたね。
米津玄師 MV「パプリカ」Kenshi Yonezu / Paprika
そして、2月1日よりツアー 『米津玄師 2020 TOUR/HYPE』が『和歌山ビッグホエール』を皮切りに開始しました。今回のツアーは10会場、20公演とこれまたボリューミーなツアーで、最終日は北海道の会場『北海きたえーる』で日本公演は以上で、その後、台北と上海にて一公演ずつ予定されています。
自分はあっけなく落選し、次回のツアー発表を皆様より先に待っています。落選した方同じ気持ちでしょうか? 当選した方は、どうか、存分に楽しんできてください。
今回は、米津玄師さんのジャンルとはいったい何にカテゴライズされるのか? という事について個人的な解釈でこれまでの音楽性の根幹にあるものと経過とともに語っていきたいと思います。
目次
ボカロ時代
米津玄師、とはどこから来たのか? まずよく語られるであろう音楽の出身では、ボカロP、ニコニコ動画出身であろう。
もう十分若者のファンの中では知られている事であろう。
しかし、今でも知らない人が多いようなので、これをなしには”米津玄師”という音楽家は語れないであろう。
彼は中学生の頃に、当時流行っていたニコニコ動画でのアイドル、初音ミクという*1ボーカロイドに出会う。
そこで自作し、ニコ動にアップした『パンダヒーロー』、『マトリョシカ』という楽曲を代表に大ヒットした、当時は顔も出さず、自ら歌いもせずボカロをプロデュースしていた裏方的な活動が始まりのアーティストです。
しかし、ボカロPとは、裏方であり、れっきとした一人のアーティストとして評価をされている存在です。
ボカロ時代:ジャンル
ボカロ時代にアップしていた楽曲に関して、ジャンルですが、
彼が影響を受けていたというBUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATION、RADWIMPSというロックバンドたちのメロディーという感じかは、正直、何を聴いているのか知らなければ影響は感じません。
どちらかというと、やはりほかのボカロP達の形態をとっていた、音楽性の色が強いと思います。
特徴的なのが、歌唱部分が歌詞が接続詞により、繋げ間が少ないのと、物語や、意味が分かりやすい世界観を持った言葉選びをしており、そういう部分に関しては、BUMP OF CHICKENの影響を感じます。
BUMP OF CHICKEN『宇宙飛行士への手紙』 [ LOW QUALITY SOUND ]
しかし、演奏部分の世界観に関しては、独特な表現を持っており、歌がなくとも景色が見えてきそうなメロディーと楽器のハモリの選び方が巧みである。
ボカロの声により、ロックなどにカテゴライズするのには気が引けるので、音楽のジャンルとしては、*2wowakaさんというボカロPが確立したであろう『ボカロっぽい』他にないであろう。
diorama(ジオラマ)
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米津玄師名義で初めて全楽曲を自ら歌唱で初めて出したファーストアルバム。
ある町の、ある出来事が全ての楽曲がつながっているアルバム。
このアルバムに関しては、イギリスのロックバンド、Radiohead(レディオヘッド)を意識して作ったと公言をしている。
その傾向としては、一曲の最初から最後まで間でパターンが典型的なパターンではないというところである。
1番から2番の間、Aメロ、Bメロ…の流れの中で変化をし、演奏もキャッチ―を繰り返し、混とんとした世界観を再現している。
テンポはボカロ時の楽曲と大きな変化はない。しかし、歌唱に関しては、大きく変わったのは、人間に歌いやすくされているところである。
しかしテンポが速く息継ぎが難しそうなところはある。
だが、断言できるのは、殆どの楽曲がフォークロックが主体になっていることである。
フォークロックとは、『フォークロックの神様』ボブディランという現在も現役で活躍するアメリカのシンガーが確立したジャンルである。
Blowin' In The Wind -Bob Dylan - Lyrics
基本的なテンポは一定で進んでいき、ギターが主体である。
そして、特にフォークを定義されるのは、歌詞が重要視される。
ボブディランが歌う歌詞には、政治的な事や、自信の思想を訴えるメッセージ性の強い曲が多く、それらがフォークと定義された。
『diorama』も同様、歌詞の形態は違うが、メロディーの息継ぎのタイミング、間のとり方。
とくに『vivi』という楽曲はこのアルバムの表題曲にして、メロディーは王道のフォークである。
なかなかに癖の強い演奏でガシャガシャとしているが、歌唱のメロディーは間違いなくフォークに変わりない。
そして、彼の得意技であり、意識されているのが、不協和音というところだ。
これに関してはジャンル付けされないが、彼の音楽性を語るには外せないことであろう。
調和していない、ぶつかっている音を含む和音に注目して是非米津玄師さんの楽曲を聴くべしである。その曲の細胞である一音一音のタイミングを意識して聴くと、また新しい音楽の発見があるはずだ。
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あとがき
全体的に統一された世界観だが、一曲一曲個性的な楽曲で独自の音作りに1stアルバムにしては衝撃的な構成になっており、ボカロP・ハチの経験値と彼自身の人生観を音と歌詞で表現したアルバムではないだろうか。
特に、『diorama』というアルバムで一つの世界を歌詞に落とし込み、様々な葛藤をメロディーで再現した、コンセプトアルバム他ならないということである。
そして、その音楽性は自身が尊敬を公言しているバンドからの影響も伺えど、『ゴーゴー幽霊船』や『駄菓子屋商売』、『ディスコバルーン』…のようなこれまでのJ-POPになかったリズム感が米津玄師の音楽性はすでに完成していて、しかし、それを彼は今後のアルバムで取っ払っていき、ボーカロイドで作っていた曲の音楽性を脱却していくのだ。
つづく↓
また、米津玄師さんに関して今回、今後の記事で情報が不足しているところが多々あると思います。
優先順位として省略していることもありますが、もし重要だという情報がありましたらコメントを頂けるとこの場が共有の場になり、もっと米津玄師さんの魅力と認知が広がると思います。
そのきっかけとしてコメントを頂けると助かります。
また、それを含め、情報不足のご理解をしていただけると助かります。
普段、このように音楽関連の記事を書いております。
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*1:ボーカロイド:初音ミクを中心に、秘密裏に録音された生身の人間の肉声を特殊な方法で録音された音声を代わりに、譜面に合わせ、セットした通りのドレミファソラシドを歌唱させることができるソフトであり、一種のボーカリストである。その中心的存在が初音ミクである。そして、その声のもとの人間は明かされているものの方法に関しては明かされていないらしい。多分。
*2:wowaka:米津玄師が尊敬するボカロPの一人で、『ボカロっぽい』を確立した一人。2019年、4月に急性心不全により31歳という若さで他界。ヒトリエというバンドでギター、ボーカルとして活動し、バンドでも活躍をしていた。ヒトリエは、印象的なギターの音とカッコいいメロディーセンスの光る音楽性でメロディックロックが主体のバンドである。