Official髭男dism『パラボラ』個人的・歌詞解釈レビュー

パラボラ

パラボラ

  • provided courtesy of iTunes

 

”段ボールだらけから幕開けた日々は想像よりも少しだけ忙しく過ぎて行ってる”

 

新生活を迎える時、新たモノに向かう気持ちとともに、物理的な荷物を段ボールに詰めて迎える準備をする。

進学する人、転職する人、新しい街で、新しい家で生活を始める人。

新しいを迎えるには様々な場所があり、様々な気持ちがある。

そして、その新しい場面を迎えるために段ボールを開けて準備を始める場面があるだろう。

そして日々が始まったと思ったとき、気持ちが追いつくか追いつけないか。でも、確かに忙しく生活が経過していく。

 

”この部屋はなんだか他の誰かの暮らしから借りてきたみたいだ”

 

気付いたら生活している空間に落ち着いて目を向ける暇もなく、ふと自分のそれまで以前の生活と違い、不思議な違和感を覚えることがあるかもしれない。まるで自分のではないようなそんな錯覚のような…。

 

”真っ新なノートの上一文字目を書き出すようにして”

”期待感と不安感が混ざったインクに浸した心で”

 

今までの生活に新たな生活、日常を迎え、人生を進んでいく。

未来を見る目はきっと明るいものを目指し、しかし、見たこともないことだから少しでも不安があるかもしれない。それでも抱えて前進していく。一歩一歩、進んでいく。

 

”互い違いに歩き出した僕の両足はどんな未来のアスファルト

踏みしめて行くんだろう 靴底を擦り減らしてドアの向こう側”

”まだ遠くて不確かでぼやけてる理想像も追い越すような奇跡を描いて見せるよ

いつかきっと いつかきっと”

 

 

”思い違いだらけのめちゃくちゃな過去を振り返る度

未熟さにむず痒くなるけど

定規で書いたような将来の雛形を知らぬ強さに

何故だか僕らは不可思議に救われたりする”

 

過去は今より幼いものなもので、恥ずかしいという気持ちを抱くこともあるけど、

これから先に迎えることが何か知らないことが不思議と強い希望的な感情を抱いて引っ張られるように進んでしける自信があることもある。

 

”暗い部屋に鳴り響いた誰かの鼻歌

声ですぐに分かったよ ずっとここに居たんだろう”

 

気付いたら自分の気分の気配を自覚する。ずっとここに居たんだろう、と。

 

”君が僕に歌い継いだ いつかのララルラ

胸ポケットで密かに呼吸をしている夢ならば

必ず僕がちゃんと叶えておくよ”

 

”堅い誓いを今立てよう

互い違いに歩き出した僕の両足は

どんな未来のアスファルトを踏みしめて行くんだろう”

 

過去の自分が現在の自分自身をつないで、そしてそれを続けて目指している『夢』に向かって過去にとっての未来である『今』の自分が叶えてると胸に誓い、抱えて生きていく。

 

そんな不安という過去から自分自身が成長していく未来へと生活をつないでさらに成長していこうという気持ちが強く感じられた。誰でも不安は抱えるもの。それを代弁し、それを背負った背中を優しく押してくれる深く優しい気持ちが込められた歌詞だと思う。

 

入学や就職や、新たな環境を迎える人たちへ向けた応援ソング。

派手にアップテンポではなく、この楽曲は着実に踏みしめて行こうというリズムを基調とし、ミドルテンポで寄り添いやすい楽曲になっている。

ヒゲダンは恋愛ソングが多いのが印象的だが、この楽曲は男女の恋愛ではなく、過去と、今と未来の成長し繋いでいこうとする歌で、恋愛関係を歌うアーティストとして、恋愛の関係を巧みに成長し経過していくという時間の関係性に置き換えて歌っていてヒゲダンらしい歌詞だけど、新鮮さを感じる新しい春の出会いのテーマソングになるんだろうと感じた。

そしてきっと、これから様々な人の様々な出会いの歌になり寄り添い、支えていくんだろう――。

 

”靴底を擦り減らしてドアの向こう側

まだ遠くて不確かでぼやけてる理想像も追い越すような奇跡を描いているよ”

 

”そして遥か先を行くどっかの僕が迷わないように”

 

”眩い光放ってみせるよ いつかきっと いつかきっと”

 


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パラボラ

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まあ、いよいよ恋が成就せず自分自身と恋愛とし始めたぞという話

おっと。

 

『過去の自分に夢を叶えると誓う』という、恋愛的な言葉選びを自分の成長に重なるように歌詞を置き換えていて凄いなーって話。