実はこの曲には原曲があって―――
世の中にはたくさんの名曲が溢れている。
時々その名曲たちの中には実は原曲があり、広く知られるきっかけになった楽曲があったりする。しかし、まだ原曲の存在が浸透しきっていないという楽曲もあったりする。そんな楽曲達が知られるきっかけがあればなと思いふとつらつらと書き始めてみた。
久しぶりのブログである。
筆者の嗜好によりかなりの偏りがあるけど、まあ、そこんところは大目に見てくれるとありがたい。
■カントリーロード
ジブリの名作『耳をすませば』でも有名なこの曲は劇中で主人公が日本語に訳そうとしている。
つまり、実はこの『カントリーロード』には原曲が合って――
そのもとの楽曲っていうのがアメリカのカントリーミュージシャン、ジョンデンバーの『Take Me Home, Country Roads』なんですっ。へーって感じですよね。
『耳をすませば』では主役の月島雫を演じる本名陽子さんがカバーしている。
アニメーションの主題に置かれることによって日本人に馴染みのあるものになっている。国境をまたいで形を変え、日本語詞になり不朽の名作と化したこの原曲を是非聴いて欲しい。
John Denver - Take Me Home, Country Roads (Audio)
■デイ・ドリーム・ビリーバー
言わずと知れたコンビニの曲です。歌っているのは覆面バンド。声が忌野清志郎に似ていると当時いじられた彼らだが、実際のところ隠しきれず正体はバレバレの忌野清志郎率いる言うなれば洋楽コピーバンドです。
そんな彼らの『デイ・ドリーム・ビリーバー』と言う楽曲にも、実は原曲が合って――
アメリカのザ・モンキーズというバンドの『Daydream Believer』が原曲になんですよねっ。今「え!?」って思った人もいたんじゃないですか? そうなんです! ビートルズの曲じゃないんですっ。あのメロディとかハモリの感じとかビートルズっぽいですよね。
原曲を聴いてみると曲の感じがビートルズっぽいが、実際にビートルズの人気によってアメリカで国内からもスーパーグループを作ろうとしてオーディションによって結成されたバンドだ。
そんなモンキーズの『(Theme From)The Monkees』という楽曲のオマージュとしてタイマーズは『タイマーズのテーマ』という楽曲も作っている。それが収録されたタイマーズの『ザ・タイマーズ』というアルバムは洋楽の日本語詞に置き換えたカバー曲集になっている。コピーして我が物にしてしまう彼らの楽曲と共にぜひとも原曲を聴いて音楽の変化を味わってほしい。余談だが赤い服で踊っている男の名はデイビージョーンズだ。
The Monkees - Daydream Believer (Official Music Video)
■500マイル
『ラブソング』というドラマで主演を演じた女性シンガー、藤原さくらさんが劇中で歌った楽曲ですけど、実は原曲があって――
この楽曲は細野晴臣、忌野清志郎、坂本冬美の三人によって結成されたHISというユニットの楽曲がもとになっている楽曲なんですよねっ。
でも実はこの楽曲にも原曲が合って――
女性フォークシンガー、ヘディ・ウェストの『500 Miles』が原曲で、清志郎が和訳で歌ったのが日本で浸透しているんですよね。面白い話ですよねっ。
日本ではHISの忌野清志郎が歌った日本語詞バージョンが浸透しているがこれにも原曲があるというのは面白い。
HISのカバーとは違い、原曲は軽やかに進んでいき、女性の凛々しさを感じるメロディとテンポになっている。HISの他にもカバーは矢野顕子、松たか子、吉岡聖恵など幅広い層に受け継がれている名曲だ。
■Change the World
スロウハンドの通り名で愛されている三大ギタリストの一人、エリッククラプトンの名曲だ。この曲でグラミー賞を受賞している。
これまた実はクラプトンが原曲じゃなくって――
この楽曲だが、カントリーの女性シンガー、ワイノナ・ジャッドの『Change the World』が原曲なんですよねっ。
ハスキーで図太い意志が伝わってくるワイノナ・ジャッドの歌声はクラプトンの歌声に勝るだろう。なぜクラプトンのカバーが評価されて原曲が弱冠埋もれてしまっているのか不思議なくらいだ。『Change the World』からワイノナの他の楽曲も聴くと素晴らしい楽曲が多いから聴いてワイノナジャッドを好きになって欲しい。
さらに、日本人でカバーしている歌手でCharさんと佐藤竹善さんの2人で組んだ『Change the World』も面白いアレンジなので聴いて貰いたい。
Change the World - Wynonna Judd
■Stand By Me
忌野清志郎もカバーしてるね、これ。
ジョン・レノンが原曲ではなく、ベン・E・キング様のカバーです。映画『STAND BY ME』に起用された事でも有名な曲ですね。当時生まれてなかった筆者は勘違いしていた時期があったのは仕方ないと思います。ジョン・レノンはポップなアレンジをしてますが、原曲は音数が抑えられしっとりと聴ける素晴らしい楽曲になってます。どの口が言うんだって話だけどさ。
ゲンキョクキキマショウ
■Twist And Shout
実はThe Top Notesが原曲で――
最初はビートルズが原曲だと思っていたんですけどThe Top Notes というデュオの楽曲が原曲のようです。いや全然曲調ちげぇじゃんって思いますよね?思いますよね?
でもちゃんと耳をすませば〈ツイアンシャウッ(Twist And Shout)〉って歌ってるんですよねっ。原曲は早口で僕も最初「え!?」って思いました。面白いですよね~
幅広く楽曲を広めたのはアイズレー・ブラザーズがコピーしヒットしたみたいですけど、ビートルズから入っている人がきっと多いでしょう。
The Top Notes - Twist And Shout (original version - 1961)
■Hush
ちょっと路線外れますね。クーラ・シェイカーの楽曲。
カントリーがまた原曲になるんですがジョー・サウスというミュージシャンの『Hush』が原曲になります。
へぇ~って感じですよね。
クーラ・シェイカーバージョンでも印象的な「ナ~ナナ~ナ~ナナ~ナナ~ナ~」がキャッチ―でクセになる感じで面白いですよね。以上です。
Joe South - Hush (Better Audio)
あとがき
音楽好きの間では時々「え、お前これカバーじゃんだよ原曲知らねえの?www」って草生やしちゃうタイプのマウント野郎が居ますが、原曲を知らなくても音楽の面白さに気付いてればそれで十分だと思っています。しかし、その上で原曲を知ると聴こえてくる新しいカバーなりの魅力を感じれるようになるので元を辿るっていう体験はしてみるといいと思います。
カバーしているミュージシャンたちは原曲が好きなのはもちろん、リスペクトやもっといろんな人に知ってもらいたいっていう気持ちも込めている事もあるのでどんな曲でも出会った順に大切に聴いていってほしいなって。そんな感じです。
今回は原曲が洋楽なのばっかりになりましたね。気が向いたら邦楽でも書いてみたいですね。中島みゆきさんの糸とか、糸とか、糸とか。
邦楽だと時期的な影響か最近やっぱり良いよなーって思ったのは菅田将暉さんがカバーしたフジファブリックの名曲、『茜色の夕日』は良いですよね。
それではまた次のブログで
バイバーイ